こんにちは。漢方内科担当の芹澤です。
前回、更年期の話をしました。女性は7歳ごと、男性は8歳ごとに体が変化するということでしたが、更年期をすぎると、さらにいろいろな症状が出て来ます。腰痛、耳の聞こえが悪い、耳鳴り、夜間尿の回数が多い、などの症状です。これらの症状は、五行論では腎にあてはまり、季節では冬に対応します。冬になって冷えてくると、これらの症状も悪化しやすくなるのです。
(五行論とは体や環境を木・火・土・金・水の性質で理解するもので、西洋医学の腎臓よりも五行論での腎の作用は広範囲です。)
このような時に使う漢方薬として八味地黄丸は有名です。上記のような腰や耳や泌尿器の問題に同じお薬を処方します。背景にある考え方を知らないと、別々の体の部位に対して同じ処方を出すのは変な感じがするかもしれませんが、五行論での腎の作用の及ぶ部位ということです。
ご自宅で出来る薬膳として食事にとりいれるのは山芋がとてもよく、八味地黄丸のなかにも山薬という名前で含まれています。特に上記の症状があるかたは毎日食べていただきたいです。
山芋は日本だとすりおろしたり、短冊にしたりして生で食べることが多いかもしれませんが、加熱してもおいしいのでいろんな料理に使ってみてください。そのほか、クルミや銀杏などもおすすめです。
人間は両親から授かった体を、毎日の食事でメンテナンスして大事に使っていかないといけません。その意味でも日々の食生活は大事になって来ます。美味しいものを食べて健康を維持しましょう。